2023.06.20. 呪い

「演劇部引退しました!でも本当の演劇人生はここから!✨」みたいなツイートを見て吐き気がした。無理だった。なぜかと言えば、わたしがそちら側に行けなかったからだ。

中高6年間、脇目も振らずにただ演劇をしていた。高校選びの第一優先は演劇部がある学校だったし、実際に実績のある家から遠い学校に進学した。芝居をすることも、書くことも、つくることも、証明をつくることも、音響をつくることも、道具や衣装をつくることも大好きだったし、今もとてつもなく好きだ。ぼんやりと自分の職を演劇にしてもいいかもしれないと思い始めたときを覚えていなくて、明確に人にそれを言ったのは去年の春だった。そのときはなんとなく、でも確実に、演劇を仕事にしたいと思っていた。高校2年の夏、その年の大会でいい成績を残せたら、本気で演劇を仕事にしようと思った。その希望はあっけなく散った。夢とか希望が叶うとか、そういうことは信じないタチだけど、なんとなくそこで、本当にそういう類の可能性を信じる、ということをやめた。

「いつかどこかで演劇に蹴りをつけないと、終えられなくなるよ」と言っていたのは中学校のときの部活の顧問だったはずだ。その蹴りをつけるタイミングを、わたしは探し続けていた。正直今でも探し続けている。もしかしたら、いろんな場所にあったそのタイミングをわたしは見えないふりをして、いかにもわたしには演劇しかないんですみたいな顔をしていたのかもしれないし、もう実際には終わっていて、私が勝手に延長を繰り返しているだけかもしれない。